旅行業の種別と扱える旅行の種類について

旅行業者には５つの種類があり、どの旅行業者として登録するかによって、その要件は異なっています。また、旅行業者の種類によって扱える業務範囲が変わるため、登録を検討している場合はまずはその概要を把握する必要があります。

本記事では、そんな旅行業の基礎となる旅行業の種別と業務範囲についてまとめています。

根拠法令：旅行業法

３つの旅行の種類

旅行の種類（契約の態様）は以下の３つに分かれています。

旅行の日程や目的地、運送・宿泊サービスの内容、旅行う代金の額を、旅行業者があらかじめ計画を作成し、これにより実施される旅行です。一般的なパッケージツアーがこれに該当します。

旅行者から、日程や旅行地などのおおよそ旅行に関する内容の提示を受け、それに基づき旅行業者が計画し実施される旅行です。団体旅行や修学旅行がこれに該当します。

旅行者の委託により、旅行者のために代理・媒介・取次をして運送・宿泊・その他旅行に関するサービスを手配することです。航空券や宿泊の単品手配はこれに該当します。

目的地は決定しているけど旅行者には知らされないといったミステリーツアーは（募集型）企画旅行になります。

旅行業の種別は旅行業法および旅行業法施行規則により、以下のように定められています。

すべての旅行業務を取り扱えるオールマイティな旅行業者です。

募集型企画旅行（国内）…〇
募集型企画旅行（海外）…〇
受注型企画旅行（国内）…〇
募集型企画旅行（海外）…〇
手配旅行…〇

海外旅行の募集型企画旅行以外は取り扱える旅行業者です。

募集型企画旅行（国内）…〇
募集型企画旅行（海外）…×
受注型企画旅行（国内）…〇
募集型企画旅行（海外）…〇
手配旅行…〇

受注型企画旅行と手配旅行を取り扱える旅行業者です。募集型企画旅行に関しては、その旅行業者が所在する市区町村と隣接する市区町村内なら旅行業を営むことが可能です。

募集型企画旅行（国内）…一定条件のみ〇
募集型企画旅行（海外）…×
受注型企画旅行（国内）…〇
募集型企画旅行（海外）…〇
手配旅行…〇

営業所のある市区町村と隣接する地域に限定して企画旅行と手配旅行を行うことができます。

募集型企画旅行（国内）…一定条件のみ〇
募集型企画旅行（海外）…×
受注型企画旅行（国内）…一定条件のみ〇
募集型企画旅行（海外）…×
手配旅行…一定条件のみ〇

①～④のいずれかの旅行業を営む者の代理人として旅行者と契約を成立させる、いわゆる仲介業で、自らは契約の当事者となることはできません。あくまで代理です。

東京都の場合、第３種旅行業で登録している事業者が最も多く、6割～7割程度を占めます。

次いで多いのが第２種旅行業で3割、残りの数％が地域限定旅行業と旅行業者代理業です。

このほか、2018年に新たに旅行サービス手配業が旅行業法に規定されました。

旅行サービス手配業とは、いわゆるランドオペレーターのことで、旅行会社から依頼を受けてホテルや運送を手配する役割を担います。よって、旅行サービス手配業者自身は旅行者（消費者）とやりとりをすることはありません。