テントサウナに許可は必要?公衆浴場法や消防法の取り扱いについて

セバスチャン

最近のサウナブームやアウトドアブームと相まって、テントサウナを利用できるキャンプ場やグランピング場が増えてきたように感じます。これって何か許可は必要なんでしょうか。

川崎行政書士

通常、サウナは公衆浴場法の許可対象となります。公衆浴場法は主に銭湯などを許可制とする法律です。テントサウナも同様に許可が必要かどうかについては、自治体によって取り扱いが異なります。

昨今のサウナブームを受け、国内でもテントサウナを販売する事業者も増えてきました。テントサウナは特にキャンプ場やグランピング場といったアウトドアレジャーとの相性が良く、集客の一環として導入を検討する事業者も多いです。

お客さんが自分で持ち込んだテントサウナを個人で楽しむ分には特段許可等を気にする必要はありませんが、事業者側が提供する場合には法規制を理解した上で運営しなければなりません。

目次

テントサウナの許可上の特徴

テントサウナはアウトドアサウナの一種で、バレルサウナやコンテナサウナと同様にここ数年で普及が広まりました。

テントサウナの特徴として、常設の建築物には当たらないことから、バレルサウナやコンテナサウナに比べると許可上の取り扱いが厳格でないということが挙げられます。

一方、新しく普及しているレジャースタイルであるがゆえに、法律上に明確な規定があるわけではありません。そのため、自治体によってその取扱いが異なり、許可の要不要やどのような条件が付与されるかはケースバイケースなため、事前の計画と相談が大事です。

どの法律の対象になる?

テントサウナを始めようとする際、まず気にすべき法律は公衆浴場法消防法になります。

公衆浴場法の許可

サウナに公衆浴場の許可が必要になることは先に説明したとおりですが、許可を取得するためには施設について各種要件を満たさなければなりません。この要件については銭湯など一般公衆浴場の規定が準用されることとなっており、給排水の設備関係や換気・採光といった構造関係のほか、脱衣所や目隠しなど公衆衛生や風紀に必要な措置を講じなければなりません。

サウナの取り扱いについては各自治体で条例が定められており、多くの自治体では公衆衛生又は風紀上支障がないと認められる場合には条件面の規制緩和を行っているようですので、柔軟な措置が取られている模様です。一方で、特例措置を認めない自治体やアウトドアサウナを認めていない自治体も一定数あることが示されています。(参考:公衆浴場法におけるその他の公衆浴場(サウナ)に関する許可事務の運用状況について/厚生労働省)

これはテントサウナについても同様のことが言えます。テントサウナだから許可は必要ないということはなく、テントサウナの構造や設備・運営方法を整理したうえでどのような取り扱いになるかは各自治体の判断となります。

消防法の届出

サウナは消防法上の防火対象物にあたるため、火災予防のために一定の措置が求められます。実際には自治体の火災予防条例で取り扱いが定められており、火災予防や避難の観点から構造設備の基準を満たした上で届け出て、消防検査を受ける必要があります。

テントサウナについては、常設型の建築物ではないため、防火対象物には当たらないと判断されるケースが多いようです。しかし、火器を取り扱う以上はサウナ同様の規定が適用されるので、放熱設備の壁面からの離隔距離などについて一定の防火安全対策を満たす必要があります。

この点については、現行基準はあくまで通常のサウナを想定したものであり、テントサウナやバレルサウナといった新しいタイプのサウナについては見直しを求める声があったこともあり、2025年には検討会を受けて見直し案の提起がなされています。

可搬式サウナ等の特性に応じた防火安全対策に関する検討会(総務省消防庁)より
セバスチャン

なるほど、新しい業態だから、あまり一律の規定が存在するわけではないんですね。

川崎行政書士

その通りです。レジャー業や観光業の特徴ですが、これまでになかった業態が登場しそれがトレンドとなって広く普及する、ということはテントサウナ以外にも多くの例があります。
この時に規制が緩和されるのか強化されるのか、ということはその時の情勢によるため、最新情報をキャッチし関係各所に相談することがとても大切です。

KC行政書士事務所
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