標準旅行業約款・手配旅行契約の部を解説!


手配旅行契約の部は企画旅行とは違ってくるんですか?



手配旅行は旅行者の希望によって旅行会社が交通機関や宿泊施設の手配を代わりに行う契約なので、企画旅行とは性質が異なります。
しかし、約款の内容としては募集型企画旅行の部と重複する部分もあるため、手配旅行契約の部について固有の部分を解説していきますね。


第一章:総則
用語の定義
第二条 この約款で「手配旅行契約」とは、当社が旅行者の委託により、旅行者のために代理、媒介又は取次をすること等により旅行者が運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービス(以下「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように、手配することを引き受ける契約をいいます。
手配旅行契約の適用範囲について定めています。旅行者の委託により、代理、媒介又は取次をすること等で旅行サービスを手配する契約です。
手配債務の終了
第三条 当社が善良な管理者の注意をもって旅行サービスの手配をしたときは、手配旅行契約に基づく当社の債務の履行は終了します。したがって、満員、休業、条件不適当等の事由により、運送・宿泊機関等との間で旅行サービスの提供をする契約を締結できなかった場合であっても、当社がその義務を果たしたときは、旅行者は、当社に対し、当社所定の旅行業務取扱料金(以下「取扱料金」といいます。)を支払わなければなりません。通信契約を締結した場合においては、カード利用日は、当社が運送・宿泊機関等との間で旅行サービスの提供をする契約を締結できなかった旨、旅行者に通知した日とします。
旅行業社の債務の内容について規定しています。旅行業者は、運送。宿泊機関等との間で旅行サービスの契約を締結できなかったとしても、善良な管理者の注意をもって旅行サービスの手配をした場合には債務を履行ものとし、旅行業務取扱料金の支払義務が依頼者に発生することを示しています。
第二章:契約の成立
契約成立の特則
第八条 当社は、第五条第一項の規定にかかわらず、書面による特約をもって、申込金の支払いを受けることなく、契約の締結の承諾のみにより手配旅行契約を成立させることがあります。
2 前項の場合において、手配旅行契約の成立時期は、前項の書面において明らかにします。
申込金の支払いを受けることなく旅行契約の成立が可能で、その旨を記載した書面の交付を契約成立時期とすることを定めています。
乗車券及び宿泊券等の特則
第九条 当社は、第五条第一項及び前条第一項の規定にかかわらず、運送サービス又は宿泊サービスの手配のみを目的とする手配旅行契約であって旅行代金と引換えに当該旅行サービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付するものについては、口頭による申込みを受け付けることがあります。
2 前項の場合において、手配旅行契約は、当社が契約の締結を承諾した時に成立するもとのします。
運送サービス又は宿泊サービスの手配のみの手配旅行契約の場合、旅行代金と引き換えに乗車券や宿泊券などの旅行サービスの権利を表示した書面の交付ができるものについては口頭で申込みを受け付けられることを示しています。
契約の成立時期は、旅行業者が承諾をした時点です。
第四章:旅行代金
旅行代金
第十六条 旅行者は、旅行開始前の当社が定める期間までに、当社に対し、旅行代金を支払わなければなりません。
2 通信契約を締結したときは、当社は、提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして旅行代金の支払いを受けます。この場合において、カード利用日は、当社が確定した旅行サービスの内容を旅行者に通知した日とします。
3 当社は、旅行開始前において、運送・宿泊機関等の運賃・料金の改訂、為替相場の変動その他の事由により旅行代金の変動を生じた場合は、当該旅行代金を変更することがあります。
4 前項の場合において、旅行代金の増加又は減少は、旅行者に帰属するものとします。
5 当社は、旅行者と通信契約を締結した場合であって、第三章又は第四章の規定により旅行者が負担すべき費用等が生じたときは、当社は、提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして当該費用等の支払いを受けます。この場合において、カード利用日は旅行者が当社に支払うべき費用等の額又は当社が旅行者に払い戻すべき額を、当社が旅行者に通知した日とします。ただし、第十四条第一項第二号の規定により当社が手配旅行契約を解除した場合は、旅行者は、当社の定める期日までに、当社の定める支払方法により、旅行者が当社に支払うべき費用等を支払わなければなりません。
手配旅行契約では、旅行業者が手配を受託してから手配完了時までに、当初の見積もりから旅行代金が変動となる可能性があります。その場合の増減に関しては、旅行者の負担額に帰属します。
旅行代金の精算
第十七条 当社は、当社が旅行サービスを手配するために、運送・宿泊機関等に対して支払った費用で旅行者の負担に帰すべきもの及び取扱料金(以下「精算旅行代金」といいます。)と旅行代金として既に収受した金額とが合致しない場合において、旅行終了後、次項及び第三項に定めるところにより速やかに旅行代金の精算をします。
2 精算旅行代金が旅行代金として既に収受した金額を超えるときは、旅行者は、当社に対し、その差額を支払わなければなりません。
3 精算旅行代金が旅行代金として既に収受した金額に満たないときは、当社は、旅行者にその差額を払い戻します。
前受していた旅行代金と実際の手配にかかった費用で差異が生じた場合の精算について規定しています。



手配旅行は企画旅行とは異なり、旅程管理までは行わないんですね。



その通りです。そのため、責任範囲が変わってきますが、契約の変更や解除などの項目は他の旅行契約と大きく変わりません。一度原文にも目を通してみてくださいね。