食品関係営業許可申請や食品関係営業届出を行う際には、食品衛生責任者を設置する必要があります。
食品衛生責任者は、飲食店や食品工場などの食品を取り扱う施設において食品の衛生管理に必要な知識を持って業務にあたることで、食中毒の発生など食品事故を防ぐ目的があります。
そんな食品衛生責任者ですが、1日約6時間ほどの講習を受ければ申請に必要な修了証を取得できます。では実際にどのような手順で修了証の取得に至るか、もう少し詳しく見ていきましょう。
食品衛生責任者になれる人は?

実は講習を受ける以外にも食品衛生責任者になれる資格を持つ人はいます。具体的には、以下のいずれかに該当する必要があります。
①食品衛生監視員又は食品衛生管理者の資格要件を満たす者
②調理師、製菓衛生師、栄養士、管理栄養士、船舶料理士、と畜場法衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者
③都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者
現実的には③の食品衛生責任者講習の受講が最も簡単であり、日数や費用もそこまでかからないためこれで要件を満たす人が多いです。
食品衛生責任者要請講習会は各都道府県で実施されている
食品衛生責任者養成講習会は、各都道府県から委託を受けた公益財団法人などが行っています。
来場して受講するスクール形式の他、eラーニングでも受講が可能で、食品衛生学、公衆衛生学、食品衛生法などの科目を1日約6時間で受講します。講習の最後には(簡単な)理解度テストがあります。
受講資格
受講に必要な経験や学歴は特にありません。
eラーニング形式で受講する場合、その都道府県内の飲食店などに勤務、またはその都道府県の在住者に限るという制限があります。
受講料
東京都の場合12,000円です。都道府県により異なります。
修了証を手に入れるまでの期間
申請や届出に必要な修了証は、基本的にスクール形式の場合講習会終了時に交付されます。スクールは頻繁に開催されているわけではなく定期開催となるため、希望の日程が合わない場合や直近の開催日が満員など受講できないと、その分修了証を手に入れるまでの期間は伸びることになります。
eラーニング形式の場合、基本的に受講終了後10営業日以内に交付となっています。申し込んでから教材が届き、自分のペースで講義視聴を進めていくため、修了証が手に入るスピードは自分次第です。
全国どこでも有効
食品衛生責任者資格は全国どこの自治体でも有効です。
例えば、東京都で取得した修了証を千葉県の許可申請に用いることも可能です。
一度取得すれば更新の必要なし
食品衛生責任者資格には有効期限がありません。
したがって、一度取得すれば一生有効であり、更新の必要もありません。
修了証をなくした場合
基本的に再発行や代わりの確認証が発行可能です。受講した講座実施主体へ確認しましょう。
食品衛生責任者の責務

食品衛生責任者資格は取得したら更新の必要ありませんが、飲食店など食品施設の責任者となった以上はその衛生管理に責任を負うことになります。
具体的には以下のようなことを遵守していかなければなりません。
・都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること。
・営業者の指示に従い、衛生管理に当たること。