飲食店の営業ができない地域は?都市計画の用途地域との関連性について

セバスチャン

これからタピオカの時代が来るそうなので、開業できる物件を探しているのですが、飲食店が開業できない地域などはあるんでしょうか?

川崎行政書士

タピオカは既にブームを過ぎているような気がしますが、挑戦してみるのも面白いかもしれませんね。…飲食店が開業できない地域はあります。

どこにでも開業できそうな飲食店舗ですが、実は開業できない場所もあるため、注意が必要です。

もしかすると皆さんのお家の近くにはあまり飲食店がないかもしれませんが、これには都市計画法という法律で、ここは住宅のみ建築できる、ここは工場のみ建築できる、というようにエリア分けされているという背景があります。

川崎行政書士

では、飲食店が開業できる地域について解説していきます。

目次

都市計画の用途地域とは?

都市計画法では、街が健全に発展し、住民の秩序ある生活が守られるよう、都市計画区域として市街化区域市街化調整区域非線引き区域準都市計画区域、そしてこのどれにも指定されない都市計画区域外の5つに区分することとしています。

一般的に、ある程度生活利便性が整ったエリアは市街化区域に指定されています。市街化区域については、必ず用途地域を定めることになっており、この指定された用途地域によって建築できる建物の用途が変わります

用途地域には以下の13種類があります。主に住居系、商業系、工業系の3つに大別することができます。

第一種低層住居専用地域低層住宅の良好な住環境を保護する地域。建物の高さや用途に厳しい制限がある
第二種低層住居専用地域第一種低層に比べ、学習塾や日用品販売店など小規模店舗の建築が可能
第一種中高層住居専用地域中高層住宅を主とした地域。病院や大学、店舗は規模に応じて制限される
第二種中高層住居専用地域第一種中高層よりも、より大きな店舗や事務所の併設が可能
第一種住居地域住居を主とするが、一定規模までの店舗・事務所・ホテル等が建築可能
第二種住居地域商業機能を伴う住居地域。カラオケボックスなどの娯楽施設も建築可能
田園住居地域農地と調和した低層住宅地域。農産物の直売所などの農業関連施設が建築可能
準住居地域道路沿いの住居と業務・商業が混在する地域。自動車関連施設なども許容
近隣商業地域日用品販売店舗が中心の商業地域。住宅や小規模工場も混在が可能
商業地域商業・業務の中心となる地域。百貨店・オフィスビル・マンションなどが立地
準工業地域工場と住居が混在可能な地域。軽工業やサービス業が中心
工業地域一般工場の立地を許容する地域。住宅も建築可能だが環境規制は緩め
工業専用地域工業に特化した地域。住宅・店舗・学校などは建築不可

飲食店が営業できないのは「第一種低層住居専用」と「工業専用」

飲食店は、ホテル・旅館などの宿泊施設やカラオケボックス・劇場などの遊戯施設に比べると、多くの用途地域で営業が可能ですが、それでもできない地域はあります。

飲食店の営業ができる用途地域・できない用途地域の一覧

飲食店用途の建築物が認められないのは「第一種低層住居専用地域」と「工業専用地域」です。第一種低層住居専用地域は、住民の閑静で良好な住環境を維持するために飲食店の営業はできません。また、工業専用地域はその名の通り工場メインの地域であり、人の生活に向かない地域のため、飲食店はもちろん住宅の建築もできません。

第二種低層住居専用地域」や「田園住居地域」についても営業できる飲食店の種類が限られており、一般的な飲食店は営業が難しいです。

第一種中高層住居専用地域」「第二種中高層住居専用地域」については営業が可能なものの、店舗面積や階数に制限があるため、注意が必要です。

簡単に言うと、○○専用とついてる地域は営業ができなかったり、何らかの制限を受けると考えるとよいと思います。

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深夜に酒類を提供する場合、基本的に住居系の地域では営業できません

市街化調整区域で飲食店は開業できる?

ここまでは、都市計画で市街化区域に指定されている地域について見てきました。しかし、物件探しをしていると、特にお手頃な物件などは「市街化調整区域」に存在しているケースも少なくありません。

市街化調整区域とは、市街化を抑制するエリアとして指定を受けた地域で、原則建築物を建てることができない区域です。既に建っている建物についても、その利用には大幅な制限を受けることも珍しくなく、また、都市計画は運用ルールの地域差も大きいので、不動産業界では慎重に取引すべき物件として認識されます。

大前提として市街化を抑制する地域ですから、基本的には飲食店の営業も難しいと考えた方がいいでしょう。ただし、市街化調整区域において飲食店の営業は認めないという法律上の規定はありませんので、物件の建築経緯や地域の都市計画などをきちんと確認したうえで段階を踏めば営業は可能です。現に市街化調整区域で営業している飲食店もあります。しかし一筋縄ではいかないことは確実です。

また、仮に開業できたとしても、市街化調整区域というエリア特性上、人々の生活圏や活動範囲から外れた立地となり、集客に苦戦する可能性も高いのが現実です。市街化調整区域で何かする場合、開業にかかる費用と期間が通常より多くかかるため、投資費用や準備労力の採算が合うか、より念入りな検討が必要となります。

セバスチャン

設備さえ整っていれば開業できるものだと思っていたけれど、そういうわけではないんですね。

川崎行政書士

そうですね。飲食店は人々の日常生活で欠かせない「食」に関する事業ですから、他のビジネスに比べると許容範囲も大きく、そこまで神経質になる必要はありませんが、どこでも営業できるわけではないことは知っておいたほうがよいでしょう。


川崎行政書士

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