【一般酒類小売業免許】酒類販売管理者とは?選任義務と選任時の注意点について


酒類の小売業者には、酒類販売管理者の選任義務があります。



酒類販売管理者は誰でもなれるんですか?



誰でもなれるわけではありませんが、要件はそこまで厳しくありません。ただし、注意点もあります。
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律により、酒類小売業者は販売場ごとに酒類販売管理者の選任が義務付けられています。選任者にはいくつかの基準があるため、事前に確認しておく必要があります。



では、酒類販売管理者の選任について詳しく見ていきましょう。


酒類販売管理者になれる人
酒類販売管理者になれるのは、酒類の販売業務に従事するもので、①~③をすべて満たした人です。
- 未成年者など、法律上酒類販売管理者になれない者に該当しない
- 6か月以上の雇用が見込まれる
- 他の店舗で酒類販売管理者に選任されていない(※兼任不可)
①未成年者など、法律上酒類販売管理者になれない者に該当しない
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律および酒税法で定められた以下の項目に関して、該当しないことが条件となっています。
- 未成年者
- 精神の機能の障害により酒類販売管理者の職務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
- 酒税法第 10 条第1号、第2号又は第7号から第8号までの規定に該当する者
- 酒類等の製造免許・酒類の販売業・アルコール事業法の許可取り消し処分を受けてから3年を経過していない
- ①が法人の場合は、取消原因があった日以前1年以内に当該法人の役員だった者に該当しない
- 国税または地方税に関する法令等の違反で罰金刑または通告処分を受けた場合、執行終了から3年を経過していない
- 以下の法律について罰金刑を受け、執行終了から3年を経過していない
- 二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(20 歳未満の者に対する酒類の提供に係る部分に限る。)
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
- 刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合及び結集、脅迫又は背任の罪)
- 暴力行為等処罰に関する法律
- 禁錮以上の刑を受け、執行終了から3年を経過していない
②6か月以上の雇用が見込まれる
酒類小売業者に引き続き6か月以上の期間継続して雇用されることが予定されている者でなければなりません。
③他の店舗で酒類販売管理者に選任されていない
他の販売場において酒類販売管理者に選任されていない者でなければなりません。つまり、兼任することは不可となりますので、注意が必要です。
酒類販売管理研修の受講義務
酒類販売管理研修とは、未成年者への販売防止や適切な陳列、表示に関する知識などを学ぶことで、販売現場の実効性を高めることを目的とした研修です。
全国の酒販組合や協会などにより実施されており、この研修を過去3年以内に受講したものでなければ酒類販売管理者に選任することはできません。
酒類販売管理研修は免許を受ける前でも受講が可能なため、これから酒類販売免許を受けようとする場合は、早期の受講が推奨されます。受講費用は実施団体によって異なりますが、5,000円~10,000円程度となっています。
なお、酒類小売業者は、酒類販売管理者に、前回の受講から3年以内に再度酒類販売管理研修を受講させる義務があります。3年ごとに継続して受講し、最新の知識を身に着ける必要があります。
酒類販売管理者の責務
選任された酒類販売管理者は、酒類小売業者や従業員に、業務上の関連法規の遵守について必要な助言・指導を行う責務があります。
酒類小売業者は、酒類販売管理者が行う助言を尊重しなければなりません。
いつまでに選任しなければならないのか
酒類の販売業務を開始する時までに選任しなければなりません。したがって、酒類販売管理研修などは計画的に受講しましょう。
酒類販売管理者選任の届出
酒類小売業者は、酒類販売管理者を選任又は解任したときは、2週間以内にその旨を所轄税務署長に届け出なければなりません。
届出書の提出は e-Tax により行うことができます。



酒類販売管理者が誰になるのかは、免許の申請までに決めておかなければなりませんか?



選任自体は販売開始時までとされていますが、申請書には酒類販売管理者に選任される予定者の氏名を記入しなければならないので、免許の申請までに誰がなるのかは決めておきましょう。



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