【一般酒類小売業免許】守らないと罰則規定あり!取得後の義務と手続きについて

セバスチャン

一般酒類小売業免許は更新の手続きなどは必要ですか?

川崎行政書士

一般酒類小売業免許には有効期限はないので、更新の手続きは不要です。ただし、記帳や毎年度の在庫報告などの義務があるとともに、一定の場合には手続きも発生します。
法令上の義務を遵守して免許を適切に維持しなければなりません。

一般酒類小売業免許を無事に取得できたらあとは営業して売上を伸ばすことに集中したいところですが、酒類販売業者として、日々の記帳義務や販売数量や在庫の申告義務、住所変更時などには各種手続きを行わなければなりません。

標識の掲示や20歳未満の者への販売防止措置など、お酒を販売する事業者として責任ある対応も要請されます。

川崎行政書士

そこで、一般酒類小売業免許を取得したあとの法的義務対応事項についてまとめました。

目次

継続して対応が必要な事項

販売場への標識掲示や20歳未満の者の飲酒防止の表示など売り場において対応が必要な事項のほか、酒類の販売に関する記帳年度ごとの報告があります。定期的な酒類販売管理研修の受講も忘れてはなりません。

標識の掲示義務

販売場ごとに公衆の見やすい場所に、酒類販売管理者の氏名・酒類販売管理研修の受講事績等を記載した標識を掲げなければなりません。

酒類販売管理者標識の例(国税庁HPより)

二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準の遵守

酒類小売業者は、二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準を遵守しなければなりません。

具体的には、酒類の陳列場所の見やすい箇所に、「酒類の売場である・酒類の陳列場所である」旨及び「20 歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨を表示しなければなりません(表示文字は100 ポイント以上のの活字など、表示様式には規定があります)。

表示基準を遵守しなかった場合には、指示・公表・命令を受けることがあり、命令に違反した者は、50 万円以下の罰金に処されることとなっています。罰金刑に課せられた場合は免許の取消要件となります。

記帳義務(適宜)

酒類の仕入れ、販売に関し次の事項を帳簿に記載しなければなりません(帳簿の様式は定められていません)。なお、帳簿は販売場ごとに常時備え付けておき、帳簿閉鎖後5年間保存する必要があります。

  • 仕入れ:酒類の品目別及び税率の適用区分別(アルコール分別など)に、
    • 仕入数量
    • 仕入価格
    • 仕入年月日
    • 仕入先の住所及び氏名又は名称
  • 販売:酒類の品目別及び税率の適用区分別(アルコール分別など)に、
    • 販売数量
    • 販売価格
    • 販売年月日
    • 販売先の住所及び氏名又は名称

義務不履行時には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることとなっています。

報告義務(毎年度)

毎年度(4月1日から翌年3月31日)の酒類の品目別販売数量の合計数量・年度末(3月31日)の在庫数量を翌年度の4月30日までに指定様式によって報告しなければなりません。

なお、以下の申告等は、e-Tax により行うことができます。義務不履行時には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることとなっています。

酒類販売管理研修の受講義務(3年に1度)

酒類小売業者は、酒類販売管理者に前回の受講から3年以内に酒類販売管理研修を受講させなければなりません。

なお、定期的な研修の受講をさせていない場合には、勧告・命令を受けることがあり、命令に違反した者は、50 万円以下の罰金に処されることとなっています。

一定の事由が発生したときに対応が必要な事項

日々の対応のほか、名称の変更や酒類販売管理者の解任など、一定の事由が発生した場合には都度手続きが必要となります。

申告義務(氏名の変更や休止する場合など)

次の事由が発生した場合には指定様式によって都度申告が必要です。

  • 住所・氏名・名称・販売場の所在地・名称の変更や異動時:直ちに
    • 販売場の所在地の異動とは、区画整理等による地名、地番の呼称変更をいいます。販売場を他の場所に移動する場合には、この異動申告書によらずに所轄税務署長の許可を受ける必要があります。
  • 酒類の販売業を休止又は再開する場合:遅滞なく
  • 免許を受けた販売場と別の場所に酒類の貯蔵用倉庫等を設ける場合又はその倉庫等を廃止する場合:あらかじめ
  • 税務署長から、酒類の販売先(酒場、料理店等)の住所、氏名、名称の報告を求められた場合:別途定める日まで

義務不履行時には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることとなっています。

届出義務(酒類販売管理者の選任・解任)

酒類販売管理者を選任、又は解任したときは、2週間以内に、指定様式によって届出する必要があります。なお、届出書の提出は e-Tax により行うことができます。

この届出を怠った場合には、10 万円以下の過料に処されることとなっています。

届出義務(酒類の詰め替えを行う場合)

販売場等(酒類の製造場以外の場所)で酒類を詰め替えようとする場合には、詰め替えを行う2日前までに指定様式によって届出する必要があります。

なお、届出書の提出は、e-Tax により行うことができます。義務不履行時には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることとなっています。

手続き(販売場の移転や廃止・相続など)

  • 販売場を移転しようとする場合:あらかじめ
  • 酒類販売業を廃止しようとする場合:廃止するとき
  • 相続が発生し相続人が引き続き営む場合:遅滞なく
  • 事業譲渡が発生し譲受人が引き続き営む場合:遅滞なく
  • 酒類販売業者が法人成りする場合:あらかじめ(免許申請と取消申請が必要)

手続きはe-Tax により行うことができます。

セバスチャン

結構たくさんのことに気を使わなければならず、大変ですね…

川崎行政書士

KC行政書士事務所では、一般酒類小売業免許の申請代行はもちろん、免許取得後の手続きについてもサポートが可能です。代行をご依頼いただいた方のアフターサポートも丁寧にさせていただきますので、取得後の手続きに不安を感じられている方も安心してお任せください。

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