キャンプ場やアウトドアレジャー施設を運営していると、集客施策としてライトアップやイルミネーションを企画することもあると思います。また、クリスマスやバレンタインなどのイベントシーズンに一時的な盛り上げ演出として検討する場合もあるでしょう。
樹木を照らしたり、あるいは電飾で飾ったりすれば雰囲気のある空間となり、来場者の満足度向上につながります。また、見ごたえのあるイルミネーションがSNSや口コミで話題になれば集客に直接的に貢献するでしょう。
このようなイルミネーションを行う際に必要な許認可や法規制はあるのでしょうか。
イルミネーションを直接規制する法律はない

結論から言いますと、イルミネーションやライトアップといった行為を直接規制する法律はありません。したがって、イルミネーションを行う際に何かしらの許可は必要ありません。
ただし、注意しなければならない点はいくつかあります。
①条例で規制されている場合がある
海岸や山林などの特に自然豊かな場所では、イルミネーションやライトアップといった人工光は、時に「光害(ひかりがい)」として公衆の影響を及ぼすことから、一種の公害として考えられています。
こうした公害については、地域の事情に合わせて条例で配慮などが求められている場合があります。例えば群馬県高山村では、その美しい星空景観の保護を目的として光環境条例が制定されています。(参考:光環境条例/高山村公式サイト)
②周囲への配慮
条例で規制されていないからといって周囲への影響を全く考えなくていいわけではありません。
環境省の光害防止制度に係るガイドブックでは、光害を以下のように定義しています。
①人間の諸活動への影響
(a)居住者への影響(住居窓面)
(b)歩行者への影響
(c)交通機関への影響(自動車、船舶・航空機)
(d)天体観測への影響
②動植物への影響
(a)野生動植物
(b)農作物・家畜(農作物、家畜)
③エネルギーの必要以上の浪費(CO排出)
周辺住民への配慮はもちろんのこと、交通の安全面からイルミネーションの漏れ光による通行人や自動車等への影響も考えることが重要とされています。
周囲の影響を考えない過剰な演出については苦情の可能性もありますので、節度を持った計画を立てることも大切です。
③屋外広告物に該当する場合
ライトアップやイルミネーションで設置する飾りなどについて、その態様が屋外広告物に該当する場合、屋外広告物法の対象となり、規制を受ける可能性があります。

屋外広告物法では、外部の広告看板などについて各自治体で規制の条例を設けることができるとする法律で、多くの自治体では設置前に許可を受ける必要があります。
地域によってはネオンの使用や光の点滅・動光が禁止されている場合があり、許可基準を満たさない場合は該当行為はできません。