キャンプ場やアウトドアレジャー施設などを開業すると、現地までの案内看板を出してお客さんの道案内をスムーズにしたいと思うことがあるかもしれません。
実際、キャンプ場などは現地に至るまでの道が入り組んでいることも多く、そうして施設では道中のポイントポイントに案内看板が置かれているのをよく見かけます。また、施設の入り口部分にはわかりやすいようにサインを出したいですよね。
これらの看板ですが、好き勝手においていいわけではありません。これらの看板は屋外広告物として法律の規制を受けるほか、設置する場所が自分の土地ではない場合は所有者の許可や、公共道路や市有地など公共スペースの場合には占用許可と呼ばれる許可も必要になります。
根拠法令:屋外広告物法
根拠法令:道路法
看板の設置は屋外広告物法の規制対象となる

看板の設置は屋外広告物法という法律で規制されています。屋外広告法は景観の維持と公衆に対する危害の防止を目的として制定された法律で、第3条には以下のように規定されています。
都道府県は、条例で定めるところにより、良好な景観又は風致を維持するために必要があると認めるときは、次に掲げる地域又は場所について、広告物の表示又は掲出物件の設置を禁止することができる。
つまり、都道府県の条例によって屋外広告物の設置に関する規制をかけられます。法律自体で規制内容まで定めているわけではなく、あくまでその規制内容や基準については地域の実情に合わせて自治体が決められるとしています。そのため、地域によってその規制内容は異なりますが、一定のエリア内での看板の設置には事前の許可が必要としてうえで、エリア特性に応じた許可基準を設けていることが一般的です。
屋外広告物の定義
法律上、規制の対象となる「屋外広告物」は以下の4つの要件を満たす場合です。
・常時または一定の期間継続して表示されるもの
・屋外で表示されるもの
・公衆に表示されるもの
・看板、立て看板、はり紙、はり札や広告塔、広告版、建物その他の工作物などに表示・設置されたもの
規制エリア内にこれらに該当するものを設置する場合には許可申請が必要です。
自分の所有地でない場合

看板を設置する場所が自分の所有地でない場合にはその土地の所有者に設置の許可を求める必要があります。設置場所が私有地の場合、所有者に確認を取り、場合によっては賃貸借契約などを締結する必要があるでしょう。
また、市の土地や道路など公共の場所に看板を設置する場合、占用許可が必要になります。私有地に置く場合でも道路に看板がはみ出る場合は道路法に基づく道路占用許可、道路交通法に基づく道路使用許可の取得が必要です。
道路占用許可は道路の占用をするため道路の管理をしている道路管理者の許可を受ける必要があるというものです。一方、道路使用許可では道路通行の安全性を目的として所轄の警察署長の許可を受けなければなりません。
個々の事例で気にすべき規制も
これら以外の規制にも、高さが4mを超える看板の場合は工作物扱いとなり建築基準法が適用され、建築士の確認(構造計算)と設置後の報告が必要になったり、自然公園規制地域にある場合は自然公園法上の色彩等の規制を受けたりと、個々の内容によって注意すべき法令は異なります。
まずは看板を立てたい地域の規制を把握したうえで、サイン計画をプランニングするとよいでしょう。
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