キャンプ場を作りたい!開発時に認識すべき法規制とは


キャンプ場の開発には複数の許認可が関係する場合があると聞きました。



はい、その通りです。キャンプ場の所在地と、キャンプ場を作るためにどんな行為を行うのかによって、特に気にする必要がない場合もあるし、逆に法規制にがんじがらめになる場合もあります。
キャンプ場を経営する際に必要な許可は下記の記事にて解説していますが、「キャンプ場を作る過程」でも注意しなければならない法規制は複数存在します。


というのも、キャンプ場の開発は所在する土地の法規制に密接に関連しており、場合によっては各種規制をクリアするために莫大な資金と長い期間が必要になってしまうケースもあるのです。
安い物件だからと購入した土地が、ふたを開けてみると法規制のがんじがらめになっていて、実は使い物にならない物件だった…なんてことはめったにないと信じたいですが、意外とあるものです。そのため、物件の取得前には自分の理想とするキャンプ場を作れるのか、関連法令を知っておくこともとても重要です。



それでは、キャンプ場の開発時に認識しておくべき法律を4つ紹介します。
都市計画法


都市計画法とは、街がある程度秩序を保ちながら発展していくための法律です。世の中の土地はこの都市計画法によって都市計画区域(市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域)・準都市計画区域・都市計画区域外という5つにエリア分けされています。どのエリアに所在しているかによって、できる行為、できない行為が変わってきます。
特にキャンプ場の開発過程で注意しなければならないのは都市計画法に定める「開発行為」に該当する行為を行う場合です。
「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
都市計画法第四条
現状の地形を活かしてキャンプサイトを作っていける場合にはそこまで問題とはならないケースもありますが、山を切り崩して(いわゆる切土・盛土)斜面地を平坦地にするような場合などは要注意です。
建築基準法


建築基準法は建築物の安全性を確保するための法律です。受付などを行う管理棟を新規に建築したい場合はもちろん、シャワーやトイレといった運営に必要な設備を設けた建屋を作る場合にも基本的に建築物に該当し、遵守しなければならない法律となります。
上記の都市計画区域にも関係しますが、建築物を建てられる土地と建てられない土地があります。特に山間は建築行為のハードルが高い場所は多いので、そのような物件の場合は管理棟やシャワーを設けることが難しくなります。
自然公園法


自然公園法は簡単に言うと日本の自然を守るための法律です。山間部や海岸沿いの土地など景観に優れた場所は、自然公園法上の自然公園(国立公園・国定公園・都道府県立自然公園)と呼ばれるエリアに属する可能性があり、様々な行為に制限や規制を受けます。
自然公園内の土地はその特性により特別保護地区、第1種特別地域、第2種特別地域、第3種特別地域、普通地域に区分分けされます。建物の色彩に制限がかかったり、木竹の伐採や土地の形状変更など各種行為に許可又は届出が必要になり、区分によっては建物の新築などが原則不可になります。
森林法


森林法とはその名の通り森を守るための法律です。森林法に基づき「地域森林計画対象民有林(森林法第五条に定められていることから5条森林と呼ばれます)」というやたら長い名前の森に指定された森林は、木の伐採をする際に事前の届出(規模によっては許可)が必要になります。
自分の土地だからと言って木を自由に切れないことがあるのです。というのも、山間の土地の立木は土砂災害を防いだり貯水したりといった役割を担っていることも多いので、所有者が好き勝手に山を切り拓いてしまうと公共の安全を脅かす可能性があります。こうした事態を防ぐために規制をかけられています。
まとめ:キャンプ場は意外と簡単には作れない?
以上、キャンプ場の開発に関連する代表的な法律を紹介してきました。厳密に言うと他にもあるのですが、挙げだすとキリがないので特に関わる可能性の高い4つに留めておきました。



なんだか思ったより大変そうなんですね…



これらの法規制は土地の所在というところに深く関係してくるので、すべての物件に該当するわけではありません。そういった意味でも、最初の物件選びや法規制調査はとても重要になります。



今まで価格やロケーションしか気にしてませんでした。



KC行政書士事務所では、キャンプ場の各種許認可取得のサポートのほか、物件を購入・賃貸する前の法規制調査にも対応しております。ご相談は無料ですので、ご不明点やお悩みのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
初めての方でも安心していただけるよう、丁寧にサポートいたします。