【消防法】特定防火対象物と非特定防火対象物の違いとは?見分け方を解説

助手セバスチャン

飲食店を開業する際の消防法の対応について調べていたのですが、条文の引用の連続で意味不明です。特定防火対象物と非特定防火対象物の違いって一体なんなんですか?

行政書士けいしー

消防法はわかり辛い部分も多いですよね。ただ火災を予防するために大事な法律なので、意味不明で投げ出してはいけませんよ。

消防法上、防火管理者の選任や点検の実施においてその建物が特定防火対象物かどうかによって扱いが変わります。しかし、この区分について一見わかりにくいのも事実です。

細かいことは抜きにして、ものすごく簡単に言うと、「一般のお客さんが出入りするビジネスを行う建物」は特定防火対象物に該当します。そうでなければ非特定防火対象物になります。

行政書士けいしー

ではその考え方や特定か非特定の違いで何が変わるのか、詳しく見ていきましょう。

目次

特定防火対象物は「より安全に管理すべき建物」

まず、特定防火対象物ですが、消防法上は「多数の者が出入するもの」として定義され、火災が発生した場合に人命に及ぼす危険が高い施設等については、通常の防火対象物よりもより安全に管理すべきものとして扱われます。

四 前三号に掲げるもののほか、第十七条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行又は適用の際、現に存する百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるものに限る。)その他同条第一項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(以下「特定防火対象物」という。)における消防用設備等又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等

消防法第十七条の二の五より

また、特定防火対象物に該当しないものを非特定防火対象物と呼びます。

特定防火対象物と非特定防火対象物の具体例

特定防火対象物と非特定防火対象物の具体例は以下の通りです。

特定防火対象物劇場、映画館、デパート、旅館、映画館、飲食店、病院、幼稚園、老人福祉施設、地下街
非特定防火対象物学校、神社、図書館、博物館、共同住宅、倉庫、工場、事務所ビル

特定防火対象物には飲食店や旅館、劇場といった商業用途の建物に加え、幼稚園や病院なども含まれます。これは、行動力にハンディキャップがある方などが出入りする建物のため、火災が発生した際の人命への危険度が高いためです。

これらの詳細な判断基準については、消防法施行令別表第1に基づくことになっています。下記表の(1)~(4)、(5)イ、(6)、(9)イ、(16)イ、(16の2)、(16の3)に該当する建物が特定防火対象物です。

参考:総務省HPより
助手セバスチャン

なるほど…観光業で使用する建物は、基本的に特定防火対象物に該当すると考えてよさそうですね。

行政書士けいしー

その通りです!エンドユーザー向けの商業用途で使用するときは特定と判断しましょう。

複数の用途が混在する建物の場合

助手セバスチャン

共同住宅は非特定ということですけど、マンションの下層階に飲食店やコンビニなど商業用のテナントが入居している場合もあります。その場合、商業階は特定、住居階は非特定という風に分かれるんでしょうか?

行政書士けいしー

鋭いですね。結論から言うと、複数の用途が混在する建物で、その用途のいずれかに特定が含まれる場合は建物全体が特定防火対象物となります。

2つ以上の異なる用途が存在する防火対象物のことを、複合用途防火対象物と言います。複合用途防火対象物は、一部に特定防火対象物が含まれている場合には建物全部を特定防火対象物とすることとしています。

例えば事務所ビルでも1階に飲食店が入っていればそれは特定防火対象物ですし、マンションの一部にコンビニが入っていればそれも特定防火対象物です。要するに最も厳しい規制を適用するということです。

助手セバスチャン

なるほど…じゃあマンションも商業テナントを入れるために規制をクリアしているんですね。

行政書士けいしー

火災は商業部分と住居部分を都合よく燃え分けてはくれませんからね。

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