観光業界の用語「MICE」とは?定義や具体例を解説


先日観光業のセミナーに参加したところ、マイスがどうのこうのと言っていたので、僕もマイスの大ファンなんですと話を合わせたら失笑されました。一体マイスとは誰なんですか?



MICE(マイス)は人が集まるイベントの総称です。人物ではありませんよ。
MICEは簡単に言うと人が集まるイベントのこと
MICEは一言で言うと「人が集まるイベントの総称」です。
MICEは、4つのワードの頭文字を取った造語で、Meeting:企業等が行う会議、Incentive Travel:報奨・研修旅行、Convention:国際機関・学会等が行う国際会議、Exhibition/Event:展示会・見本市・イベントからなっています。それぞれの具体例は以下の通りです。
- Meeting
-
海外投資家向け⾦融セミナー、グループ企業の役員会議など
- Incentive Travel
-
営業成績の優秀者を集めた旅⾏など
- Convention
-
北海道・洞爺湖サミット、国連防災世界会議、世界⽔フォーラム、世界⽜病学会など
- Exhibition/Event
-
東京国際映画祭、世界陸上競技選⼿権⼤会、国際宝飾展、東京モーターショーなど
こららのイベントをこうして一括りにしているのは、一般的な観光や旅行とは性質が異なるためです。MICEは、企業・産業活動や研究・学会活動等と関連している場合が多く、「集客能力が高い」という直接的な経済効果だけではなく、企業同士の交流促進や産業振興などから生まれる経済波及効果や、地域住民や行政組織への副次的な効果にも及ぶことに着目されているのです。
MICEがもたらす5つの効果
MICEの効果として、5つの主要効果が期待されています。
①高い経済効果
イベントの主催者・出展者・参加者などの消費支出は、開催地域を中心に大きな経済波及効果となり、レジャー目的の一般観光よりも高い経済効果を生み出すと言われています。これは、会議開催、宿泊、飲食、観光などの消費活動の裾野が広いことや、滞在期間が比較的長期にわたる傾向にあることに起因します。
②ビジネス・イノベーションの機会の創造
国際会議・展示会により、海外へのネットワーク販路拡大や、グローバル企業との共同研究など交流創出などはもちろん、これらの機会をきっかけに商品やサービス・地域の理解が深まり、日本製品の購入や地域の産業振興が推進されるという効果が期待できます。
③国・都市の競争力向上
イベントを通じた情報の流通、ネットワークの構築などはビジネスや研究環境の向上につながり、都市・国の競争力向上につながります。海外の多くの国ではその経済戦略の中で、達成手段の1つとしてMICEを位置付けており、国際会議件数の世界都市ランキングはその指標の1つとされています。
④交流人口の平準化
休日に需要が高まる一般観光と異なり、MICEによる消費活動は平日メインとなっており、平日と休日の観光人口の平準化が期待できます。
⑤レガシー効果
MICEの誘致・開催により、幅広いステークホルダーに経済波及効果以外の効果が期待できます。


グローバルMICE都市
2025年現在、日本では国内の12都市がグローバルMICE都市として選定されており、MICE誘致力向上のための支援が行われています。
- 札幌市
- 仙台市
- 東京都
- 千葉県千葉市
- 横浜市
- 愛知県名古屋市
- 大阪府大阪市
- 神戸市
- 京都市
- 広島市
- 福岡市
- 北九州市



そうだったんですね。今後は恥をかかなくて済みそうです。



観光業界には専門用語もたくさんあります。当サイトでも解説記事を更新しているので、ぜひチェックしてくださいね。