旅行業登録は更新の手続きが必要!申請前に注意して確認すべきことと必要書類

セバスチャン

旅行業の登録って一度完了すればずっと有効なんですか?

川崎行政書士

登録完了後も毎年の実績報告などを適切に行ったうえで、5年ごとに更新手続きが必要です。

旅行業(第1種旅行業・第2種旅行業・第3種旅行業・地域限定旅行業)の登録は有効期間(5年)があり、更新制となっています

更新というとただ書類を1~2枚提出するだけの簡単な手続きに思ってしまいますが、旅行業の場合、更新の際も新規登録とほぼ同等の書類を準備する必要があります。更新時には基準資産額の条件を満たしている必要があるなど、事前の準備をしておかなければ更新の申請が受理されない可能性もあるため、新規の登録以上に注意しなければなりません。

セバスチャン

登録して一安心、ではないんですね。

川崎行政書士

適切に事業を継続させていくために、許認可の維持も重要な業務の1つとなります。更新時に確認すべきことや、更新にはどんな書類が必要なのか見ていきましょう。

目次

更新の前に注意して確認すべき事項

更新の前に確認すべき事項は、「更新は有効期間満了日の2ヶ月前までに申請しなければならない」「変更届や毎年の取引額報告書など、法令上要求される登録後の手続きを適切に行っているか」「基準資産額を満たしているか」の3点となります。

申請は有効期間満了日の2ヶ月前まで

更新の申請は必ず有効期間満了日の2ヶ月前までにしなければなりません。うっかりこの期限を過ぎると申請を受け付けてもらえなくなるので要注意です。

登録後に必要な手続きを行っているか

①毎年の取引額報告を行っているか

毎年の事業年度終了後100日以内に旅行者の取扱人員や取引額を報告しなければなりません。これが漏れていると更新ができませんので、毎年忘れずに行わなければなりません。

②登録事項の変更の届出を行っているか

登録事項(名称や住所、法人代表者の変更や、旅行業務取扱管理者の選任・解任など)に変更が生じた際には届出を行わなければなりません。変更の届出を行っていないと、登録情報と更新申請の内容が一致せず申請手続きが進みません。

③取扱管理者が定期研修を受講しているか

選任された旅行業務取扱管理者について、旅行業協会(ANTA・JATA)が実施する研修を5年ごとに受けさせなければなりません(直近5年以内に合格した方は不要)。更新申請時には定期研修修了証の写しを添付しなければなりませんので、こちらも保管しておく必要があります。

基準資産額を満たしているか

基準資産額」は旅行業で用いられる、申請者の財産状況を把握するための指標です。

基準資産額=
【(資産の総額)-(創業費その他の繰延資産) -(営業権)-(不良債権)】
-(負債の総額)
-(所要の営業保証金又は弁済業務保証金分担金)

これが以下の金額以上になる必要があり、基準額に満たない場合は更新申請時点で基準額を満たせるように前もって調整していかなければなりません。

旅行業の種別基準資産額
第1種旅行業3,000万円
第2種旅行業700万円
第3種旅行業300万円
地域限定旅行業100万円

更新申請に必要な書類

旅行業の更新の申請には、新規登録時と同等ボリュームの添付書類を準備する必要があり、前もって準備しておかなければなりません。東京都を例に紹介します。

法人の場合

・更新登録申請書
・定款(写)又は寄附行為(写)
・履歴事項全部証明書
・役員・取扱管理者の宣誓書
・旅行業務に係る事業の計画
・旅行業務に係る組織の概要
・直近の「法人税の確定申告書」及び添付書類の写し
・旅行業務取扱管理者選任一覧表
・旅行業務取扱管理者の合格証または認定証の写し・定期研修修了証の写し
・履歴書
・事故処理体制の説明書
・営業保証金供託所又は弁済業務保証金分担金納付書の写し

個人の場合

・更新登録申請書
・事業者・取扱管理者の宣誓書
・事業者の住民票
・旅行業務に係る事業の計画
・旅行業務に係る組織の概要
・財産に関する調書
・旅行業務取扱管理者選任一覧表
・旅行業務取扱管理者の合格証または認定証の写し・定期研修修了証の写し
・履歴書
・事故処理体制の説明書
・営業保証金供託所又は弁済業務保証金分担金納付書の写し

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更新申請ができない場合

申請の期限を過ぎてしまった、必要な要件を満たせない等の理由で更新申請ができない場合、現在の登録の有効期間をもって登録は抹消となり、旅行業を営業することはできなくなってしまいます。

引き続き旅行業を営みたい場合、新規登録の申請を行う必要がありますので、注意しましょう。

セバスチャン

5年…絶妙に忘却してしまいそうなタイミングですね。

川崎行政書士

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